不動産売却のリスク、デメリット 瑕疵担保責任とは

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不動産売却のリスク、デメリット 瑕疵担保責任とは

長年にわたって暮らしていた家を売却しようとする場合、一般的にいえば契約価格から諸経費を差し引いた部分がオーナーの利益になります。特にほかの商品やサービスとは異なり、不動産にはただでさえ高い値段が付きますので、もしも鉄道の駅や公共施設に近かったり、幹線道路に面しているなどの立地条件が良い場合には、通常よりも大きなメリットがあるといっても過言ではありません。しかし街なかにあるデパートやスーパーマーケットのような店舗で買い物をした場合に、不良品などが紛れ込んでいれば店舗側に交換や修理を要求できるのと同じように、家を売却する場合にも売主にはリスクと責任がともなうことも、決して忘れてはならないところです。

 

特に個人が家を売却する場合には、通常は中古物件ということになりますので、経年劣化を含めてさまざまな部分に欠陥にあたる不具合が生じているおそれがあります。

 

不動産の世界では瑕疵担保責任という専門用語がありますが、これはもともと民法に由来するもので、買主が通常の注意を払ったとしてもわからないような欠陥を不動産が抱えていた場合には、すでに契約を済ませて引き渡しをしたあとであっても、その修理の費用や損害賠償にあたる金額を売主が買主に対して支払わなければならないとする法的な責任のことをいいます。民法のほかにも宅地建物取引業法などの不動産関連の特別法のなかにもこの瑕疵担保責任に関する規定があります。

 

地域にある不動産会社に仲介を依頼して、個人で物件を売却しようとする場合にも、この瑕疵担保責任の規定が適用されます。その具体的な例ですが、建物の土台の部分の傾き、柱の腐食、シロアリによる被害、天井からの雨漏り、配管の破損による水漏れなどといったものが含まれます。

 

これらは建物の構造そのものに影響を与えて、人が内部で生活することを困難にする原因になりますが、売買契約を結ぶ前に内覧をした限りでは、見た目だけではわからないこともあります。

 

また売主がことさらに欠陥があることを買主に対して黙っていることも世の中では当然あり得る話ですので、高い金額を支払って買い取った人に対して、引き渡しが済んでいるので売主には責任がないとするのは酷な話といえます。そこで法律では一定の範囲で売主の責任を認め、買主が不当に弱い立場に置かれないように配慮する規定を設けています。逆にいえば売主の立場でこのような欠陥が見つかれば、買主の求めに応じて修理をしたり、損害賠償を支払ったりしなければならなくなるリスクを抱えているということにほかなりません。

 

民法では瑕疵担保責任が及ぶ期間については明確に定めがありませんので、通常は契約書のなかにその期間についても明示しておきます。たとえば引き渡しから6か月間や2年間などの文言を加えることで、その期間は買主への保証が及ぶようにするとともに、売主のほうでも永遠に責任を負ってしまうという事態を回避しています。ほかには売主としてのリスクをできるだけ避けたい場合には、瑕疵担保責任の免責規定を契約書のなかに盛り込むことも行われています。

 

これはたとえ対象の物件に欠陥があったとしても、引き渡し以後に発見されたものはすべて買主の負担となり、売主の側では責任を負わないとする規定です。わが国では契約自由の原則といって、公序良俗に反しない限り、当事者の間で取り決められた契約事項は尊重されるしくみになっていますので、このような規定を設けたとしても、当事者がそれで合意している以上は法的に有効となります。もっともその分だけ市場価格にくらべて安い金額を設定せざるを得ないケースが多くなりますので、買主への責任を負うとしても高い金額のほうがベストなのか、それとも金額が安くなっても責任を回避するほうがよいのかという、究極の選択になることがあります。

 

別の手段としては不動産を仲介方式ではなく買取方式で売却するという方法があります。一般に行われている不動産の仲介というのは、個人が専門の不動産会社に依頼をして、物件の宣伝や買取希望者への内覧の手配、契約の手続きなどの一連の業務をサポートしてもらい、最終的に別の個人との売買契約を結び、不動産会社には対価として売主が仲介手数料を支払うというスタイルのことを指しています。この場合は物件を買い取るのはあくまでも別の個人であって、不動産会社そのものではありません。しかし買取方式の場合には、不動産会社そのものが物件を買い取るかたちになり、いずれその不動産会社から別の個人に転売されます。要は誰が物件を買い取るのかに大きな違いがあるわけですが、それだけにとどまらない違いに売却価格があります。不動産会社はこの分野では間違いなくプロであり、査定などもシビアに行われますので、価格的には仲介方式の場合よりも大幅に下落してしまうのが通例です。しかし買主が不動産会社の場合には、売主となる個人は瑕疵担保責任を負わなくてもないことになっており、この点では大きなメリットがあります。